生産牧場見学の秩序とマナー
暫くの間、更新が滞ってしまいました。
昨年8月からは我が地元札幌でJRAの開催があり、かつ愛馬の出走等もあったりその後も順調に愛馬の出走が続き、土日は出走記念の馬券を買いにWinsに出かける事が多くなりました。(昨年の6~7月は愛馬放牧中でした)
まぁ、言い訳はこれぐらいにしますが、今回の題材はタイトルにあるとおり「生産牧場見学の秩序とマナー」です。
なぜこの題材を取り上げるか、と言う事ですが、実は4月に日高の個人生産牧場に訪問をして、かつその写真等をご自分のブログに堂々と掲載された方がいました。繁殖時期は生産牧場にとって仔馬の誕生、種牡馬との種付け等の繁忙時でもあり、何より新たに誕生した仔馬の免疫をつける重要な時期でもあり、私達ファンは遠くから暖かく見守っていなければならない期間です。それなのに・・・私は愕然としました。ゲッ、私と交流のあるお仲間・・・。
HPやブログは今や情報発信の媒体として欠かせないコミュニケーションツールに発展しました。しかも双方向のツールです。お仲間ばかりではなく当然不特定多数の方が訪ずれる事でしょう。そこで間違った認識や誤解を与える情報を発信したとすれば・・・・。私も事実を知った以上、こうした間違った認識がそのまま受け止められないように改めて皆様に訴えます。
「1月から6月末までは、生産牧場は繁殖期、種付け期であり、仔馬が免疫をつける重要な時期ですので、繁殖期は生産牧場の見学は出来ないと認識して下さい。訪問・見学は遠慮して下さい。」
「言い方を替えれば簡単な事です。訪問・見学が解禁される7月以降に大手を振って堂々と見学を申し込んで個人生産牧場に足を運んで欲しいと言うだけです」。
私は日高在住時に牧場主に色んな話を伺いましたが、仔馬の生産時に外部から侵入したと考えられるウィルス等で仔馬が亡くなった話しを聞いています。私達ファンは生産牧場見学にあたっての秩序、モラル、そしてマナーを守る事が1番大切な事です。見学時期等についても私のHP「ガッツのノックアウト牧場・サラブレットの里」にも掲載しています。
もちろん私が家族型の個人生産牧場を訪問したのは、いずれも8月から9月です。GWなど生産牧場への紹介を頼まれる事もありましたが、繁殖時期は上記のとおり説明をして快く納得していただいています。
このような「秩序やマナー」などが守られていない実態が起きてしまった背景には、家族型経営の個人生産牧場主など生産馬に関わっている方々がどのような毎日を過ごしているか、あまり知られていない現状があるかと思われます。どのようなご苦労をされているか理解していると、情報を発信する責任やそれに伴うリスクをより感じて貰えると思います。もちろん自ずと行動も変わってくれるでしょう。
私が懇意にさせてもらっている牧場主から聞いてメモした事を書きとめておきたいと思います。(繁殖牝馬数によって多少の時間差はあるものとお考え下さい)
牧場の一日は、サラブレットの習性に合わせています。サラブレットの生活サイクルは早朝から活動し夕刻には眠りにつきます。早寝早起き?の典型的なパターンです。それは昼間に十分な運動(放牧時間)を必要としているからに他なりません。
起床:午前4時頃・・・夏場は午前3時頃になるそうです。
餌付け:午前4時半~1時間位。朝餌と同時に夜中に怪我などしていないかチェックと合わせて手入れを行い馬体を清潔に保ちます。
放牧:概ね上記の餌付け等が終了した午前5時半から6時頃~夕方4時~5時頃
馬房清掃等:寝藁のボロ掃除や、寝藁の入れ替え・日光干しなど数回ひっくり返しの作業です。また 馬房のカイバ桶の清掃や水桶の清掃など・・・・朝食を挟んで午前中一杯仕事が続きます。ですから7月以降の牧場見学は午後からの時間が良いでしょう。
馬房の準備等:午後から馬の収牧までの作業にかかります。馬房の寝藁敷きや夕餉のための準備が主ですが、馬の清潔感を保持するため厩舎の清掃や寝藁の補充、時には放牧場のボロ拾いや、牧柵・馬具の修理などもあるそうです。時間的には昼食後収牧を始める午後4時頃には作業を終わらせなければならないとの事です。
収牧:私が懇意にしている岡崎牧場では、午後4時過ぎに牧柵を棒で数回叩くと、リーダーを先頭に放牧していた馬達が入り口に集まって来ました。条件反射?でしょうかねぇ。これも馬の習性で運動した後、自分の馬房での夕餉が待ち遠しくなって集まるとの事でした。
手入れと夕餉:放牧中に怪我などがないか、ドロや埃などを落とすためのブラッシングを行います。その手入れが終われば、午後5時~には夕餉のカイバを与えます。
夜餌付け:牧場主の夕食後、午後8時頃に夜餌のカイバと馬のチェックです。異常はないか一頭づつ見守り、午後9時頃までに最後の世話が終わります。
日高の多くの牧場は家族経営型ですから、これらの作業を家族総出で行っています。これが365日続きます。そしてこの他1月~6月一杯は前述した繁殖時期と仔馬の育成に神経を尖らせます。「サラブレットの里」でも紹介していますが、出産時期は馬房の隣の小部屋で寝ずの番をしなければなりません。そして無事出産を迎えてから仔馬に免疫がつくまで厩舎の消毒など一時も気が休まる事はないそうですが、仔馬の成長が何より嬉しく疲れを吹き飛ばしてくれるそうですよ♪。
私達は生産牧場の繁殖時期は、遠くから暖かく生産牧場を見守ってあげましょうよ。それが生産牧場に対するマナーであり、秩序とモラルを守る事だと思いませんか。
私達はサラブレットのファンです。ならば家族経営型生産牧場の皆様方の日々のご苦労を理解し、仔馬の成長を楽しみに待ちながら、繁殖時期は訪問は遠慮し、見学解禁後牧場主の苦労に感謝の心で接する事により、生産牧場と見学者の秩序やモラルが守られますし、私達は大事に育ったサラブレット親仔の微笑ましい姿に心が癒されるのではないでしょうか。大手の牧場もステキですが、是非日高地方の個人牧場にも足を運んで下さい。牧場の関係者の方々はより親しみをもって歓迎してくれますよ。
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